異動から数ヶ月後、
アシュレーが私に言った。
「店長が、びっくりしてたわ。
あなたがこのポジションをすごく気に入って
楽しそうに働いてるから!」
なんで、女王店長びっくりするねん。
「ここが、ぴったり!ここならあなたも仕事をエンジョイできるわ!」
ていうのが、表向きの顔やろがw
実質的な降格に
私ががっかりして辞めると思っていたのかもしれないが、
私はこのポジションを楽しんでいる。
某ラグジュアリーブランドの時と比べると
プレッシャーは減ったし、
イベントのたびにやってくる、
気取ったメイクアップアーティストや
トレイナーや、アカウントエグゼクティブ
その他、大袈裟な肩書きを持った皆様に
お愛想する必要もなくなった。
ヘアスタイルやメイク、アクセサリーなども
うるさく言われることがなくなった。
このポジションに異動したおかげで
友人も増えたし、
自由に楽しく働いているのだ。
もちろん、今回の件で私はすっかり開き直ったので
気持ちが楽になったというのもあるが。
そして、某ラグジュアリーブランドはと言えば、
私の代わりに、二人入ったので
四人体制になったのだが、
一人はすでに辞表を提出した。
もう一人は、転職すべく仕事を探している。
そして、最近わかったことだが、
やはり私の予想通り
「私を入れる代わりに、
じぇにを異動させるって店長が言うてたの。
じぇにに悪いことしたわ」
と、金髪女の一人がそう話していたらしい。
そらね、最初はむかついたよ。
でも可哀想ではない。
お前に可哀想って思われるほど
えげつない目にはまだ遭うたことないわ、って感じ。
だいたいやな、
私は新しいとこで、機嫌よう働いてんやし。
別に私が抜けたからではないが
某ラグジュアリーブランドは
売り上げも低迷しているので
私に
「あなたの顧客紹介してくれない?」
「このカウンターで今までみたいにメイクオーバーしてもいいのよ」
「今までと同じように、このブランド売ってちょうだい」
とすり寄ってくる。
そして、イベントがあるたびに
「あなたの顧客も招待してくれないかしら」
と来る。
「オッケー」
とにっこり答えているが、
私はそこまで良い人やない。すんませんなぁ。
何を甘えてんねん。
売り上げがどないなろうが、
イベントで閑古鳥がギャアギャアわめいてようが、
私には何の関係もないこっちゃ。
盛大おきばりやす。
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