2021年1月28日木曜日

アメリカで商売

私ね、デパートで働いていた時は、

「アメリカで物売る商売は
絶対にようせんわ」

て思っててん。

私が働いていたのは
化粧品売り場やったけど、
半分使った香水でもクリームでも
戻って来る。

ドレス売り場の同僚に聞いたら、
一回着たドレスを返品なんて、
日常茶飯事やったらしい。




パーティーなんて、
たいてい同じような顔ぶれ、
同じドレス何回も着られへん、

あるいは、パーティーなんて
年に一回行くか行かんか、

よって、値札をつけたまま着用、

パーティーが終わると返品する、
ということらしい。


「もしアメリカで商いするなら
やっぱり飲食?
腹に入ってしもたもんは
返品できへんやん?」

て思っててんけど、
アメリカをなめとったわ。

 
確かに、腹に入ってしもたもんを
返品してくることはないがw

クッキーを購入して
一口かじって

「このクッキー好きやないわ、
そっちのチョコチップクッキーと交換して」

とか、


サンドイッチを半分ほど食べて、

「好きな味やないから、他のと交換しろ」

とか・・・


ドライブスルーともなれば、
もうカオス。

ドライブスルーでの私の仕事は、
代金をもらって、商品を渡すだけの
簡単な仕事、のはず。

でも、ここアメリカでは
直接客と接する仕事で
簡単な仕事はないらしい。


「9ドルです」

「私が頼んだのは、サンドイッチ半分よ」

「はい、そうですね」

「サイドも飲み物も頼んでないわよ」

「ええ、頼んでませんね」

「サンドイッチ半分でなんでその値段よ!」

注文した時点で、
値段も言われてるから
知らんわけがないのに、

なぜ、私に文句を言う?

保存料を使用しないで
その日の朝に焼いたパンで
牛肉はさんだら、そら安くもないやろ。

その客は、

「いらんわっ!」

と、言うと
ぶーーん!ガソリンの屁をかまし、
車を発進させてしまった。

作ったサンドイッチは無駄になった。


 
他にも、
「お金足りんから、やっぱりいらん」
(注文する前に気付けよ)
とか、

「やっぱりコーヒーいらんわ」
(砂糖やらミルクやら入れさせといて今更)
とか、

「やっぱりラージやなくて、スモールに」
(容器が無駄になるやんけ)

こんなことが毎日何度も起こる。


私としては

「ふざけんな!ごらぁ!」

と言いたいとこやが、

店側は基本、客の言いなり。

私も今のところ、
仕事を失うわけにもいかんので、
店の方針に従うしかない。


私が見てるだけでも、
料理や飲み物が結構な量、
無駄になっている。


昔は

「アメリカでトンカツ屋やったら、
絶対うけるで!」

て思ってたけど、
今ならわかる。


うけるけど、
儲かるかどうかは別。


アメリカ人なら
店が赤字になるまで、
トンカツソースをじゃぶじゃぶと
浴びるように使いよるに違いない。


というわけで、
アメリカでは食べ物も含めて、
物を売る商売は大変そう、
というのが結論。



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