僕は君の味方だよ3 最終回

「僕は君の味方だよ」

て言うてたジェイコブが、
化粧品売り場マネージャーに
せっせと私の情報提供していたのだ。


私が休憩に行くと、時間を計り、

私が同僚とおしゃべりしていると、時間を計り、

電話で誰かと喋っていると、時間を計り、

十分くらい、とかやなくて、
十一分とか、十七分とか、
きっちり分単位でマネージャーに報告し、

私の姿が見えないと
「じぇにはどこや？」と皆に聞きまくり、

私がマネージャーの文句を言うと、それを報告し、

私が昼休みにベンチで昼寝をしていると
（座ったままうたた寝）
それを隠し撮りして、マネージャーに送り、
（金もろてへん時間に寝ようが起きてようが、私の勝手じゃ）

お腹のすいた私が、こっそりスナックを口に運ぶところも
隠し撮りでマネージャーに報告。


通報されたら、立場上、マネージャーも
ほっとくわけにいかん。
私に注意せなしゃあない。

そんだけこまめにマネージャーに通報していたのだから、
ジェイコブとマネージャーは仲良しなのか？
となると、これが全然違っていて、
ジェイコブはマネージャーのことを蛇蝎のごとく嫌っていた。

ほな、ジェイコブは従業員の鏡のような奴なのか？と言うと、
一時間おきにタバコ休憩に行ってしまうし
（これは規則違反）

私がスナックを食べているところを隠し撮りするくせに、
自分は勤務中にガムを噛み続けている（規則違反）

私が同僚とお喋りしていると、隠し撮りするのに、
自分は勤務中に好き放題に同僚と喋っているし、
暇な時間には、スマホでゲームをしている。

だから、真面目なジェイコブが
不真面目な私を気に入らない、
というわけでもない。

なにがジェイコブを、ここまで張り切らせたのか、
その理由がわかったら、ええオチになるのやが、
それが今もわからへん。

で、今日も偶然、スタバで会うたんやが、
当然、ハグアンドキス、アイラブユーの嵐。

怖くない？

普通に病気のレベルやと思ってるんで、
下手に逆らうたりはせんと、
適当に合わせてるけど、
仕事辞めてくれてよかったよ。

ほんま、関わりたくないもん。