埃まみれのアーモンド

アメリカ人と一緒に働いてて、
最近、むっとすること。


「じぇに、チョコレートある？」

「じぇに、ミント持ってる？」

「じぇに、のど飴ある？」

と、聞いてくる奴ら。

もちろん、ごくごく一部の人たちやけど、
共通しているのは、アメリカ人てこと。

私の職場はロシア人、フランス人、メキシコ人その他、
なかなか国際色に富んだ職場やが、

お菓子あるか？と訊いて来るのは
アメリカ人だけ。


最初の頃は快く分けてたし、
分けるのが嫌というのとは、ちょっと違うんやが、

毎日のように訊いてくると、

甘いものが欲しくなるってわかってるのに、
なんで自分の分くらい自分で買うて
持ってこーへんねん？
と不思議に思う。


それでも、
「お菓子持ってる？」と訊いて来るのは
まだマシなのかもしれない。

同僚のバネッサは
引き出しに入れてあるお菓子などを
黙って勝手に全部食べてしまうので、
みんなに嫌がられている。

それをわかっているので、
私も引き出しにお菓子を入れっぱなしにはしないのだが、
一度うっかり忘れて、
アーモンドの入った缶を置いて帰ってしまった。

当然翌日、アーモンドは全部消え失せていた（結構量あったのに）


「バネッサ、私が引き出しに入れてたアーモンド食べた？」


「そんなの知らないわ」


「あ、そう、それは良かったわ。

私、昨日、缶を落としてしまって、
床にアーモンドをぶちまけてしもてん。

時間なかったし、そのままかき集めて、
アーモンドを缶の中に入れて帰ってしもたから、
今日は捨てようと思っててん。

汚いでしょ？床の上にぶちまけた埃まみれのアーモンドなんて。

食べてないなら、良かったわ」


バネッサは一瞬ぎょっとした顔をして、
そのまま無言で立ち去ってしまった。

もちろん、嘘やけどねw
ちょっとお灸を据えてやった。